終了条件を満たしたことの確認。

システム終了にあたり、状況を確認していきます。

●“分かりやすい結果”の積み重ね

遊木が2020年6月にヤングジャンプ(集英社)でデビュー相当、同年9月に霧島がマンガMee(集英社)でデビューとなりました。
米原を含めた漫画メンバー3人で、他にも複数の漫画賞を受賞し、「超結果重視型システム」において求めていた“分かりやすい結果”を積み重ねてきました。

●終了条件クリア

霧島は2021年6月2日にマンガMee商業漫画の連載を開始しました(週刊。11話の短期連載の予定)。
これにより、終了条件のうちをクリア。また、連載継続期間にもよりますが、の条件について少なくとも一定期間クリアできる見込みとなりました。については、まだ具体的な目途がたっている段階ではありませんが、実現の可能性は以前より高まってきたと言えるでしょう。
以上の状況から、「超結果重視型システム」は終了条件を満たしたと判断することができます。

2021年6月、最新の状況を整理。

遊木秋勇
  • 引き続き商業連載を目指す。
霧島凜
  • まず目の前の商業連載に力を注ぐ。
米原のぞみ
  • 引き続き商業デビューを目指す。
Random Walk
  • 「分かりやすい結果」を獲得したのは事実だが、一過性のものにしないためには、まだ気を抜けない。ノウハウを蓄積しつつ、RWとしてより適したスタイルをつくりあげていきたい。
  • 「プロ・アマ混在の創作サークル」としてあるべき体制を模索中。デビューしたメンバーがいるので、一応「プロ・アマ混在の創作サークル」になったと言える。しかし、まだバージョンアップの途上であり、考えるべきことはたくさんある。
  • 「超結果重視型システム」終了に伴う状況整理と今後の戦略構築。「超結果重視型システム」の期間中は、“RWらしさ”をある程度まで度外視して活動した。それを、段階的にバランスを見ながら取り戻していく必要がある。
  • コロナ禍の影響により「仲間募集」中断中。むしろ、この中断期間中にサークル内の状況を整え、ポストコロナで勢いをもって活動できるよう備えたい。

各漫画メンバーによる総括。

漫画メンバー3人が「超結果重視型システム」終了にあたり、思うところをブログにて書き記しています。各メンバーが綴った3年間の総括です。

4人で振り返り対談。

システム終了にあたり、遊木、須々木、霧島、米原の4人で振り返りの対談をしました。座談会形式でいろいろな話題に触れています。
動画で語っている話は、以下に書き起こしています。あわせてご覧ください。
なお、「代表」は遊木、「お兄」は須々木、「凜ちゃん」は霧島、「のぞみん」は米原のことです。

①「超結果重視型システム」の概要説明

須々木 はい、では、これから「超結果重視型システム」の対談を始めたいと思います。

みんな わー。

須々木 最初にちょっと、この場にいる人たち自己紹介をしてもらいましょうかね。はい、代表。

遊木  はい、普通に漫画を描いてます、遊木秋勇です。

霧島  霧島です。

米原  米原です。

須々木 ここまで3人が漫画を描く人たちですね。で、今回司会進行が、漫画を描かない須々木です。
では、普通にお喋りをしていく感じですけれど、この座談会というか対談は、「サイトにいっぱいいろいろまとめてあることは、すでに読んでもらっている」という前提で基本進めていきます。今回の「超結果重視型システム」というものですけれど、凄く簡単に言うと、短期集中で「分かりやすい成果」をあげるために特化した体制をしく、というのが「超結果重視型システム」です。
この「分かりやすい成果」ってなんでしょねっということなんですけれど、ホントはいろいろ間に話があるんですけれど、最終的に言うと、基本的には「RWの漫画メンバーが商業デビューし、商業連載もしくはそれに相当する状況に至る」ということを「分かりやすい成果」だと、そういうふうに定義しました、という感じですね。
ただ、詳しいことは、ホントはいろいろと長く書いてあるので、先にサイトや、場合によってはブログとかそういうのを読んでもらって、それを全部読んで、その最後に聞く対談という感じですね。なので、ここから先は、サイトとかは読んでいただいている前提でトークしちゃいます。
はい、ではこっから先は、普通に対談いきます。

遊木  うーす。

②「超結果重視型システム」に対する単純な感想
 (動画の2:17~)

須々木 はい、最初とりあえず、この「超結果重視型システム」の単純な感想を聞いていきたいかなあと思うので、代表から聞いていこうかな。

遊木  感想なのかちょっと分かんないんだけど、個人的にどうだったかなって振り返って思ったのが、「苦しい」とある種の「楽」が共存している……何と言うんですか、二律背反かな?

須々木 「楽」っていうのは、「楽しい」の「楽」?

遊木  そう、ある種の「楽」が共存していた……何て言うの、二律背反しているというか。ていうのがあって、当然、今までのように、ただ作品を完成させれば完遂する企画、みたいなのと違って、結果が出なければ永遠に終わらないみたいなキツさはあったし、己の能力が赤裸々に結果に出ちゃうっていうのは、勿論、苦しくてツラいところではあったんだけど、一方で、今までは、うちらのやり方って、こう、道なき場所にえっちらおっちら自分たちで新しい道をつくって進めている創作活動だったじゃないですか。それが、この3年間は、もう、誰もが分かりやすい「この道ですよ!」っていう道を辿れば良いっていう、ある種の楽さというのが、自分的にはあって、結果が出るかは別としてね、歩く道すら自分たちで悩まなくてはいけない大変さじゃなかったから、余計なことを考えずに目標を目指せた感はあるから、それがある種の楽っていう。

須々木 なるほどね。

遊木  ていうところがあったから、もちろん、めっちゃ苦しかったけど、いつもより悩まないところもあって、心がそわそわする、みたいな。ていうのがあったなって思ったよ、個人的には。

須々木 なるほどね。今までとはだいぶ毛色の違うやり方だったからね。ホントに今まではやってから、「このやり方、ホントにアリなのか?」みたいなパターンもあったからね。

遊木  そうそう。

須々木 そうすると、先人たちがいる道だからね、これはね。確かにやり易さはあるかもね。
はい、じゃあ、凜ちゃんにも聞きましょうかね、単純な感想。

霧島  単純な感想は……目まぐるしかった(笑)

須々木 (笑)

霧島  感情においてもそうだし、個人的に結構状況が変わったりっていうのが、この3年間、「超結果重視型システム」のときに、ちょっとタイミングが被ったというだけではあるんだけど、私……まあ、何か、目まぐるしかったですわ(笑)

須々木 3年間ずっと目まぐるしかった感じ?

霧島  感情的にはそうだね。まあ、環境は一回変わったら、そこから慣れていくけど、感情は結構浮き沈みが激しかったっていうか、それもめちゃくちゃ波があったっていうよりは、その3年間で結構スパンゆっくりめで、めっちゃ沈んでたときもあったし、「あ、ちょっと頑張れそうかも」っていう山があったりとか。普通に生きてたら、ここまで私の感情は変化しなかったかもしれない(笑)

須々木 結構デカかったんだね(笑)

霧島  結構デカかったね(笑)それが……

遊木  何その、生の実感みたいな(笑)

霧島  そう、「ああ、生きてる」みたいなの。

須々木 RWがどうというより、今までの中でも結構アップダウンあった感じ?

霧島  そうだねー。基本的には私、フラットで生きてるっていうか、あんまり、めっちゃ凹むこととか、めっちゃテンション高いときとかってそうないんだけど、この3年間はわりとあったかもなっていうところはありますかね。

須々木 はい(笑)
のぞみんはどうでしょうね、単純な感想。

米原  一応、短期集中とはなってるけど、それでもやっぱり3年間って長いじゃないですか。

須々木 まあ、最初は3年間のつもりだったわけではないけどね。

米原  一応、今回の区切りで3年間っていう期間になったけども、それだけの期間を、自分の作品をつくって考えて悩んでっていう、制作してっていう時間にあてられたのは、すごい大きかったかなって、ありがたかったかなっていうのは思いますね。今までミーティングの中でRWとしてこういうのをやってこうっていう、プロジェクトみたいなので、みんなで一つのことをいろいろやってこうか、みたいな、時間をとったけど、今回のシステムだと、それぞれ成果をあげなきゃいけないっていうのもあって、個人の制作をしつつ、かつ、みんなも巻き込めるというか、みんなの意見を聞くのに、どんどん「これ、悩んでるんだけど、どうすればいいかな?」っていう質問もどんどんしていけた、遠慮なく質問していけた期間でもあるので、個人的には凄いありがたかったかなっていうのは思いますね。あとは、ひたすら自分の作品を必死につくってたから、あんまり記憶がない(笑) というか、「私、あれ、何してたっけ?」っていう、ちょっと。

須々木 はあはあ、ナルホドね(笑)

米原  必死過ぎて、ちょっと記憶が飛んでるところもあるかもしれないけど、でも、やっぱ、ありがたかったなっていうのはありますね。

須々木 ナルホドね。ありがたや、か。はいはい。
ていうか、それぞれ違うんだね。意外と違うね。

③「超結果重視型システム」を約3年間継続して得られた成果、気付き、成長を感じる点。(動画の7:11~)

須々木 はい、じゃあ、その次。あんまり大した話題の違いないんですけど。
「超結果重視型システム」を約3年間継続してやってきましたけど、そこで得られた成果とか、気付きとか、成長を感じる点、さっきはちょっとざっくり感想だったけれど、もうちょっと掘り下げたところも聞いていこうかなと思います。
じゃあ、代表。なんか、成果とか、気付きとか、成長を感じる点とかね。

遊木  これは、個人の話とサークルの話と?

須々木 両方触れてもらえると良いかな。

遊木  じゃあ、最初にちょっと個人的な方からいこうかなって思うけど、一番の成果は、やっぱり商業的視点に関する全般の話だけど、前々から「たぶんこうなんだろうなー」とか思っていたことの解像度があがったというか、より具体的になったかな、この期間で。担当さんと打ち合わせしてね。あと、私的には、私の作風って、ざっくり言うと同人向きっていう印象を自分で持ってたんだけど、だから自分的に好きで拘っているものも、「ま、商業では邪魔なんじゃないかな」みたいに思っていたようなところが結構あったんだけど、それが思いのほか受け入れられたり評価されたりしたのね、この間で。ていうのを知って、「ああ、意外とえーんや」みたいな。ていうのが得られたのは、すごく大きかったかな。妙な遠慮はいらないみたいな。ていう、のがあったんだよね、結構。

須々木 同人と商業って、これをどのくらい分けて考えるのかちょっと際どい問題だとは思うけど、もともとその間の境界ラインと思ってた場所ってのは、この3年間を経て変わったの?

遊木  変わったね。

須々木 解像度が上がっただけじゃなく、根本的に、思ったよりこっちだなとか?

遊木  そう、思ったより。商業的に分かりやすい、なるべく伝わりやすい言葉とかっていうのは、最初から、「たぶん、こうなんやろな」と思ってたようなジャンルの解像度が上がったっていうところもあるし、ただ、自分の作風の受け取られ方は、完全に意識が変わったというか、「ああ、自分の考えは違ったんだな」っていうのがあったから、そこは意識は変わったていうのはありますね。

須々木 それって、3年間の中で、じっくり徐々に変わってったの? それとも、何かのときに、「あ、違うんだ」って気付いた瞬間があったの?

遊木  「超結果重視型システム」の間に何作つくったっけな、連載版の「クラウン」と、読み切りの「クラウン」と、「Good-bye wolf」と、「アンデッド・ラブ」かな、完成したのは。だから、4作だけど、最初の連載版の「クラウン」は別として、そのあとつくった読み切りで、一作ごとに、どんどん変わっていったって感じ。

須々木 何か、担当さんとのやり取りの中で、みたいな。

遊木  一番大きく変わったのは、やっぱ「Good-bye wolf」かもしれないけどね、自分的には。一番勉強にもなったしね。

須々木 佳作を、結果的にそれでとったという感じでね。

遊木  あともう一つはね、この3年間で、作画に関して「省きたいなー!」っていう作業は、あらゆるものを駆使して省くべきという感性が生まれたのはね、大きかったよ(笑) 美大の受験じゃないから、デッサンとか嫌いなら、3Dとか素材とか使って、どんどん削った方が良い。

須々木 好きなことをね。

遊木  それで浮いた時間で、プロットとかネームとか、物語を面白くするところに使った方が、絶対いいと思うよ。でも、デッサン嫌いって言ってるけど、絶対デッサンはやった方がいいよ。ただ、日々の空き時間でデッサンをやって、締め切りがある漫画とかには、別に無理にデッサンの勉強を紛れ込ませなくていい。

須々木 ナルホドね。

遊木  ていうのを、僕は学びました(笑)

須々木 ナルホドね(笑)

遊木  ていうのが、個人的な話だよね。
サークル?

須々木 そうだね。

遊木  サークルとしては、メンバーの作品に対して、忌憚のない意見を発信することに対して、心構えをしなくなったというか、今までは「じゃ、次のミーティングで講評会しますよ」みたいになって、そうすると、講評会に向けて心構えがあったんだよね、結構。

須々木 心構えっていうのは、言う側として?

遊木  そう、言う側としてだね、主に私の場合は。結構、私は、みんなの作品にズケズケ言うタイプだから、心構えが今まであったんだけど、この3年間で、日常になったっていうか、ルーティン化したってなったのは大きいかなって。それまではやっぱ結局、うちのサークルって、“自由な創作”を掲げてるから、最後の最後は「本人が納得してるならいいか」っていう雰囲気があったんだよね。ただ、このシステムの期間は、結果を出さなきゃいけないっていう前提があったから、今までより踏み込んで意見を言える、言わなきゃいけないみたいなノリだったから。

須々木 今までは最終的には自分の中の物差し的にOKだったら良かったけど、この「超結果重視型システム」は、自分がOKと見做したら終わりじゃないから、物差しはよそにあるやつを使うからね。

遊木  そうそう。で、この3年間で、それがみんな言われるのも言うのも結構日常になったと思うんだよね。これはサークルとして一つの成長になったんじゃないかなーと個人的に思うね。

須々木 新たな物差しをプラスで導入したって感じだからね。

遊木  あとは、単純に、それぞれがあげた成果は、レベルアップって言っていいと思うけどね。

須々木 単純に、より良いものをつくれる技術は学んだって思うしね。

遊木  漫画賞がすべてではないけど、ただ、賞をとることによって、言い方悪いけど「商業では通じないから同人なんでしょ?」みたいな雰囲気は払拭できたというか(笑)

須々木 やっぱ、できることがね増えたら、勿論それは良いことだし。

遊木  逆にさ、うちのサークルって、同人至上主義ではないじゃん。だから、好きな方法を選べる選択肢を増やしたよっていうのとかはね、レベルアップだったんじゃないですか。って、僕は思いましたよ(笑)

須々木 はい、じゃあ、凜ちゃんにも聞こうかな。成果とか気付きとか成長を感じる点とかね。

霧島  「他に言うこと?」みたいな感じに思っちゃうけど(笑) 成長……。

須々木 パッと思いつかないなら、他の人、聞いてもいいけどね。一番大きな気付きとかは、なんだろね。

霧島  気付きって言ったら、それこそテーマになってる「分かりやすい成果」をあげるっていうとこに繋がると思うんだけど。それって、他人から見ても分かりやすい、うちらがつくるのは漫画、だったら、他人から見て面白い漫画をつくるっていうところにいくと思うんだけど、それって、結局、究極的には、商業的に面白い作品かどうかというところにいくと思うんだけど、それだよね。さっきも出たんだけど、商業的な視点、自分は好きだし面白いと思ってる、でも、他人から見てどうなのかっていうところを、今までは、蔑ろにとは言わないけど、自分が面白いって思うことの方が重要だったのね。でも、それが、結果を求めなきゃいけないってなったときは、「いや、そうもいかんだろ」ってなって、人が見たときにどう思うかっていうところまで、自分の視点を広げられたっていうところが、一番大きかったと思うと同時に、それで結局作品がもう一つレベルアップすることができたんじゃないかなって思うので、その視点を得られたっていうところが、一番大きな気付き、変化だったなって。

須々木 それってさ、自分が面白いと思うってところは抑えるの? それとも、プラスアルファなの?

霧島  どっちかって言うとプラスアルファかな。自分が面白いって思ってる、でも他人側から面白くなくてもいいやって思ってたのを、自分が面白いと思ってることを、「じゃあ、他人に伝えるにはどうしたらいいのか」っていう方向に、シフトする。

須々木 ナルホドね。じゃないと妥協だもんね。自分が面白いのは軽くしてってなったら、ただの妥協になっちゃうからね。

霧島  結局、自分が楽しめなくなっちゃうじゃん、それだと。それだと、やってる意味ないなってなっちゃうから。

須々木 自分が楽しいと思うことを、人にも楽しいと思ってもらう努力をするっていうのは、凄くポジティブな感じだよね。

霧島  そこの努力をしなきゃいけないし、したら、さっき言った、妥協じゃなくても、それができるんだっていうところに気付いたのは、「ああ、いいじゃん」って、思いました。

須々木 それは素晴らしい。3年間の中で最終的に、商業連載、もう実際スタートしって感じだけど、でも最初結構伸び悩んでたっていうか、結構苦労してたとかあると思うだけど……。

遊木  最初の一年……凜ちゃんの最初の一年は、こっちが心配だった(笑)

須々木 完全ドツボにハマってるっていうか、「ヤベーこれは」って感じくらいだったけど、ターニングポイントっていうのは何なんだろね? パーンとターニングポイントが一つあるのか、徐々にっていうのか、分かんないけど。

霧島  まあ変化は、その2018年ですよ、暗黒の。

遊木  あれは、凜ちゃんを囲んでた周りが一番心配してたよ(笑)

須々木 これメンタルケアが必要なんじゃないか、みたいな(笑)

霧島  メンタル病んでて、ちょっとヤバいかも、ホント、絵描くの好きだから、絵を描きたくないみたいなことを思ったことはなかったし、それまで。これから先もないだろうと思ってたし、別にそのときもそうは思ってなかったけど、でも、「このままいったら、私、ヤバいんじゃないか?」って思うくらいにはヤバかったね。でも、そっから徐々に、結局、漫画描きたいっていうのがずっとあるから、そこは変わんなかったから、その間のミーティングとかでかなあ。徐々に。

遊木  でも、結局はその苦しんだ一年でつくった作品が、今のMeeにつながる作品になったから。

霧島  あれもね、どうだろうね。作品を評価されたのかどうかも微妙だけど。

須々木 でも、その作品を見せて担当になったんだからね。

遊木  そうそうそう。

霧島  まあ、そうね、あれがなかったら。あの苦しみは無駄ではなかったなっていうのはあるけどね。

須々木 全部つながってはいるからね。

霧島  だから、一回そんだけ凹んでるから、これから先、よっぽどのことがあっても「大丈夫じゃない?」みたいな感じの心構えはできたんじゃないかなと。

須々木 心が強くなって(笑)

霧島  心強くなったよ(笑)

須々木 より、クリエイターのメンタルのね。

霧島  いやー、メンタル絶対作品に影響すると思うから、メンタルは、大事だなって思います。

須々木 ナルホドね。はい。
今のは個人の感じだったけど、サークルとしては、見ててレベルアップしたなと感じる点ある?

霧島  レベルアップはしてるでしょ(笑) なんだろうな。普段のミーティングのやり取りとかもだいぶ変わったと思うし。感想としても、「私は好き」みたいな感想が今まで結構多かったの。でも、それとは別に「あ、面白い」っていう、好きより面白い……人の作品を読んでもだし、面白いっていう感想が、バッてでてきた、イコール、レベルアップしてるって私は単純に思いますね。

須々木 ナルホドね。「好き」と「面白い」は、結構違いがあるよね。

遊木  今もさあ、あげてきて修正するときって、「好きなんだよ! 好きなんだけど! ……でも、こう直した方がいいよ!」って言い方するよね。

須々木 好きだけど……っていうのはね。

遊木  「いや、私は好きなんだけど……でも、アアッー!」みたいな感じのが多いよね、今は。

米原  うん、多いね。

須々木 個人的には好きなんだが、って、まあありますね。

霧島  結構最近は、修正されてあがってきて、「あ、面白い!」みたいな。「好きなんだけど」って言わなくても、「面白い」でいける感想を出せるようになったっていうところは変化だなって思う。

須々木 ナルホドね。
はい、のぞみんにいこっかな。成果とか気付きとか成長を感じる点とかね。

米原  今回、ちゃんと成果を出さなきゃってなったときに、自分の作品をちゃんと面白くできるかっていうのがひとつの軸だったと思うんだけど、自分の作品を面白くするためにはどうすればいいんだろうっていうのを、ずっと悩み続けてた期間だったんですけど、自分の作品を面白くするってなったときに、自分に何が足りないかっていうのが分かってっていうのが、個人的には凹む部分でもあったけど、プラスでもあったかなっていうのは思いますね。

須々木 何足りなかったの?

米原  いや何かいろいろ(笑) ブログとかサイトにもたぶんいろいろ情報があがってると思うんですけど、制作スピードだったりとか、自分が面白いと思うものと、「これ、周りの人が見るとどう思うんだろうな」、「どう感じるんだろうな」、「面白く感じてくれるのかな」っていうのを、凄く迷い続けた期間でもあったんですけど、この3年間積み重ねてきたときに、今まで、私の中で、自由度が高い方が迷っちゃうことがあって、それは私、私の魔の期間が2019年かな、担当さんはついたけど、なんか、なんか……

須々木 迷走(笑)

米原  周りが面白いって思ってくれる作品って何だろうっていうのを、凄い迷い続けてた期間があったんだけど、でも結局は、その暗黒期間があったおかげで、自分の足りないものが浮き彫りになって、「じゃあ、この足りない部分を補っていけば、ちゃんとステップアップしていけるんだ」っていうのが明確に現れてくれたのは、個人的には凄いありがたいなっていう。

遊木  2018年は凜ちゃんの魔の期間で、2019年はのぞみんの魔の期間(笑)

須々木 ミーティングの中で割いてた時間の割合が物語ってるよね。

遊木  2018年はほぼ凜ちゃんの作品でミーティング使ったからね。

須々木 ホントに端から端まで、そうだったからね。

遊木  凄かったよね、あれは。

霧島  凄かったね。

須々木 それが収まったと思ったら、今度は端から端までのぞみんになったから。

遊木  デ、デ、デジャヴ(笑)

米原  でも、その暗黒期間があったから、自分が直さなきゃいけないところも分かったから、それを潰していけばステップアップしていけるはずっていうのが分かったっていうのが大きいかな。それとはまた別なんだけど、周りが面白いのは何だろうって悩み続けた中で、ちょっと自分が気に入ってた作品に立ち返って、「トモダチ宇宙」の、自分がよく描けたなって思ってた作品にちょっと立ち返って、自分が面白いって思ったのと、サークルのみんなが「この作品いいね、面白いね」って言ってくれたのを、信じてっていうとあれ、なんか、疑ってたことはないんだけど、じゃあ、もうちょっとこれを、みんなと自分が良いって思った作品をもうちょっと何とか直せば、周りに受け入れてもらえる作品まで昇華できるんじゃないかっていって、それを直して提出したのが結果につながったっていうのは、とても嬉しかったポイントでしたね。その二つが大きいポイントでした、私の中で。

須々木 ナルホドね。はい。
サークルとしてはどうでしょうね。レベルアップというかね。

米原  地盤がさらに固まって、レベルがあがったっていうか、それぞれの実力がついた分、サークルとしての地力があがったっていうイメージがありますかね。あんま深いこととか良いこととか全然言えないんですけど。単純にこの3年間の経験が、土台を強固にする素材になったかなとは思ってますね。

須々木 基礎体力的なものが向上した感はある感じだね。

遊木  まさに地力だよね。

須々木 好き勝手にやるという点は強化されてたけど、好き勝手じゃないやり方でも、突っ込んでいけるようになってきたかもしれないね。

④「超結果重視型システム」を振り返って、反省すべき点とその分析。今後にどう活かすか。(動画の23:13~)

須々木 はい、じゃあ、その次の話題。「超結果重視型システム」を振り返って、反省すべき点とその分析とか、今後にどう活かすのかなあみたいなやつを。前のと被るところもあるかもしれないけど。
はい、代表、どうでしょうね。これも、個人、サークル、それぞれちょっと軽く触れてもらえると良いかな。

遊木  反省点ね。個人の方は、やっぱり、企画から完成までの期間を短くしなきゃなというのが、今後の反省ですよね。「Good-bye wolf」と「アンデッド・ラブ」、現在制作中の読み切りの3作は、どれも企画前から「○○の練習をしましょう」とか「○○の勉強をしましょう」的な縛りを、最初から設けられて制作してきたのね。で、だから、次、縛りのない作品をつくったときに、この3作で勉強したことがどのくらい活かされるのか、なるべくリテイクをなくせるのか、ていうので、試されてる感はあるよね。どのくらい判断力をあげて、無駄な迷いをいかに削ったような制作が、今の私にどのくらいできるのか、みたいな。ていうのが、今後ですよね。あとは単純にデジタルツールの利点をもっと活かした作業の効率化ができればいいなーというのは、思いますね。デジタルツールはたぶん、追求すればいくらでも効率化できるようなもんだよね。

須々木 今後も新しいのも出てくるだろうしね。

遊木  そうそう。ていうのがあと一つと、今後に向けての抱負も言うの、これは?

須々木 軽く言ってもらおうかな。区切りは、強制的に区切ってはいるけどね、何かが終わったわけではないし。

遊木  抱負ね。

須々木 展望というか、抱負というかね。

遊木  今はとにかく、目の前の作品を完成させるのが一つですね。やっぱり、長編向きの物語を考える方が、私は圧倒的に好きなのよ。だから、引き続き連載を目指していきたいのはそこなんだよね。結局、私は長編向きの物語を描きたいから、連載をしたいんだよね。あとは、できるだけ迅速な作業場の確保がしたいでござる。

須々木 そうですね。

遊木  で、あとは確保したときに、しっかり有効活用できるようにシミュレーションして、サークル内でも共有していきたいよね。早く欲しいな。

須々木 次の大きなステップアップをね。

遊木  そうそう、で、何、サークルとして?

須々木 若干いま触れてた気もするけどね。

遊木  ちょっといまサークルにも触れてたけどね。この3年間、非常に有意義だったけど、一方で、RWらしさが抑え気味だったなと、今後はそれを抑えなくても、各自が結果を出せるような活動にしていきたいなという気持ちはあるよね。今の漫画組は、当然、みんな安定した連載作家を目指してるわけだけど、これは私の話、個人の話になっちゃうかもしれんけど、一方で、身近に、例えばノベルゲームをつくってるとか動画をつくってるとか、その同人的な活動をしている環境でもあって欲しいのね、私は。商業と同人が同じ場所で共存しているみたいな。サークルとしても目指すものって掲げてるわけだし。で、商業の仕事は軸ではあるけど、例えば、サークル内でつくってるノベルゲームのキャラデザをいくつかやるとか、ちょっとした茶番に噛むとか。

霧島  茶番に噛む(笑)

遊木  自分的には、そういう環境が理想だから、がっつりリメインでやらなくても、漫画制作以外の創作も身近で感じられるような環境にあって欲しいなっていう気持ちがあるんだよね。だから、そのためにはまず、サークルをしっかり安定させる、今さっきののぞみんの話じゃないけど、地盤をより固めていく。その上で、コロナ禍が落ち着いたら仲間を増やして、10年間蓄積した「RWらしさ」を存分に発揮できるような体制をつくっていきたいというのが、サークルで。

須々木 結局、好き勝手自由にやるっていうのは、土台がしっかりしてるから、あちこちフラフラいっても帰ってこれるわけだよね。

遊木  そうそうそう。

須々木 まさにね、それですよね。

遊木  ていうのがね。ま、理想を語るのは自由だ。

須々木 そうだね。まあ、これを実現していくわけだよ。別に、実現に向かって進んでるわけだからね。

遊木  一歩一歩一応近づいてはいるなという感覚はあるので、より加速していきたいけどね。

須々木 そうだね。加速したいよね。進んでは絶対いるからね。

遊木  そうそうそう。

須々木 分かりました、はい。
えー、凜ちゃん、聞きましょうか。反省すべき点とか分析とか、今後にどう活かすの?とかね。

霧島  一つは何と言っても、2018年の暗黒期をもう少しどねーかならんかったかと(笑)

須々木 どうにかなる手はあったのかね?

霧島  どうだろうね? でも、あの期間は必要だったと思うよ。必要だったとは思うが、でも、あれをみんなにやれって言える?みたいに思ったときに、あそこは別になくてもいいんだったらない方がいいと思うから。2019年、2020年と、私の一番の問題はまず企画とかがしっかりしてないっていうところだよねっていうのを、一年かけて証明したみたいな期間だったから、だから、結果として得られて良かったのは、その企画がしっかりしてないと一年かかるんだよっていう、その結果を……伝えること?

須々木 後世に(笑)

霧島  そうそう、後世にそこを伝えたい(笑) だから、そこを反省するべき点として、これがあったから今があるっていうのは勿論あるけど、でも、「それ、なくてもいけるよね」っていうところ、そこを反省したいかな。企画もっとしっかりして、プロットやって、ていうところ、ちゃんと段階を踏めば、もっとスピードアップできるっていうのは、私自身の中で、絶対それじゃんって分かってるから、そこがうまくやれれば、作品をつくるベースも精度ももっと上がるんだなっていうの、実感として得てるので、「そこ大事やで」っていうところ。

須々木 企画しっかりしないとっていうのは、どのへんから実感として、自分の中に落とし込めたの?

霧島  なんかね、2018年を経て、次の作品、えーと「月が出るまで待って」かな。結構そこを実感として得たのは、正直、担当さんがついてっていうところが大きかった部分ではあるんだけど、その商業的な視点を得られるきっかけを経てから、企画やな、結局一番大事なのは。

須々木 それまでも言われてはいたけど、まだ落とし込めてはいないって感じだったよね。

霧島  頭では分かってるけど、実際にできてない状態が長かったんだよね、2018年。だから、それを腹に落とし込める期間が早ければ早いほどいいよねっていう話ですね。

遊木  担当を得てから、「あー、あの暗黒期はそういうことだったのか」って(笑)

霧島  そうそう。言われて、その実感っていうか、暗黒期があったから、あっ……あっていうのがね、たぶん、分かったのがそこだったかなっていうのがあるかな。人に言われて頭では分かってるんだけどね、できないのよ。

須々木 だいたいそういうもんだよね。散々言われて、それこそ、ちっちゃい頃に親からいろいろ言われたけど、あとで体験を伴ってきて、「あのとき言われたのはこれだったのか」っていって学ぶみたいなもんだよね。

霧島  そうそうそう。

遊木  凜ちゃんさ、昔もそのパターンあるよね。その前からみんなに言われてるけど、何かのタイミングで、「あ、落ちたあ。自分の腹に」ってなると、急にガラッと変わるっていうのは。結構、凜ちゃん昔からその気があるんだよね。

須々木 しかも、落ちたのが、周りから見ても分かるくらい。

遊木  そう、面白いのはね、凜ちゃん、落ちた瞬間が、周りがみんな分かるの(笑)

霧島  全然変わるらしいね(笑)

須々木 なんか「こりゃまだ分かってないわー」っていうのと「おー、分かったんだー」っていうの。

遊木  ていうのがね、凜ちゃん、凄く分かるんだよね、それが(笑)

霧島  腹に落とすまで時間がかかるのは私が特例なのかもしれないけど、みんなもっと早く落ちるものなのかもしれないけど、だとしたら、反省点はそこかなっていう気がしますね。

須々木 ナルホドね、はい。なんか、今後の展望というか、これまた今まさに真っ最中でなかなか何とも言えないかもしんないけど。

霧島  いや、もう、なんだろね、ずっと変わんないけど、面白い漫画が描けるようになりたい。

須々木 まあね、シンプルにね。

霧島  抱負っていうか、それに尽きますわ。そのためだったら、別にもう何でもすればいいかなって思ってるし、そこですね。

須々木 ほいほい。サークル的な視点から言うと、どうでしょうね。今後のRWに思いを馳せて……って凄いマッタリした言い方だけど(笑)

霧島  うーん、どうだろうね、これは別に漫画に関わらず言っていいんだよね?

須々木 そうそうそう、RW、漫画サークルじゃないからね。

霧島  だよね。そう。漫画サークルじゃないから、新しい人が欲しい(笑)

須々木 そうだねー(笑)

霧島  漫画ってホント、全部経験っていうか、なんでも役に立つんだよね、結局。だから、新しい人が入ったらその分、糧にしてみせるって感じだし、そこですかね。

須々木 意外とチームプレイできる気もするしね。

遊木  もともと漫画家ってアシスタントさんが勿論いて、つくってる人がたくさんいるけど、今回だと例えば、お兄に3Dの間取りとか発注して、お兄に3Dつくってもらって、それを背景に活かすっていうのも、実際いま実行していることだけど、漫画ね、意外とメンバーに手助けしてもらったり。

霧島  そうそう、3Dはめっちゃありがたいね。

須々木 文明の利器というか、いろいろなものが、ツールが出てきて、使えるといいよね。

霧島  そう、できあがった3Dは勿論役に立つけど、その3Dをつくってもらう前に、まず自分の中で設定とか詰めなきゃいけないじゃん。その作業も結構、漫画を描く中でも役に立つなって思ってて、「ここ、この角度からだとこれがあるはずだから」みたいなのを、自然と考えられるようになるから、他の人がいて、その力を借りるために、自分も力を延ばさないといけないから、そこが相乗効果みたいになってるのはあるかもなって思います。

遊木  私は結構、設定考えるの好きだから、前からああいう、間取りとか設定とか、細かい舞台になるのとか、どのくらいの大きさ、何メートルみたいなのまで、しっかり元から考える人間だったけど、それが3Dになって立ち上がるところの感動(笑)

須々木 結構イメージ通りなのあれって? 「思ったよりなんか違うなー」とかならないの?

遊木  結構感覚に近いかな。私は、自分の中でこんなイメージかなって思ったのが、結構そのまま3Dで来たイメージだったよ。

霧島  素晴らしい。

米原  素晴らしいな。

須々木 なかなか精度の高い脳内だね。

遊木  例えば、真ん中に大きな階段があるような間取りをこの間、発注したんだけど、「この階段ちょっと出っ張り過ぎで、もしかして無理が出るかも」みたいに、資料を渡すときにも言ったけど、だから、案の定、「階段はもっと短くして、台を一つ減らさないと」みたいなのが来たから、そのへんの感覚も自分的には、もともと可能性を考えてるようなことの修正くらいだったから、「おー、おー、脳内のものが具現化したぜ」みたいな(笑)

霧島  なんか3D使ってるとさ、だんだん、その感覚ってさ、精度あがってかない?

須々木 あがってくね。

霧島  そこも良いっすね。

須々木 そうすると、やっぱ漫画でも、勿論、場所があってキャラが動くわけだから、空間を認識できたら、より面白いものを描けるだろうしね。だから、相乗効果はたぶん結構あるんだろうね。

遊木  3Dは、思ったより良いぞっていうものがある。

霧島  思ったより(笑)

遊木  自分の想像より、「おー、良いものがあがってきたぞ」みたいな。

霧島  あー、ナルホドね。

須々木 意外と使えそうだね。

遊木  ていう感じがあったから、だからやっぱ、他媒体の人が身近にいてくれるのは、あらゆる可能性が広がるよね。

須々木 そうだね。3DCGも良いぞーということで(笑) はい、了解です。
のぞみん、いこうかな。反省すべき点とか分析とか今後にどう活かすかなあ、みたいな感じで、はい。

米原  さっき言った暗黒期で、選択肢が多いとめちゃくちゃ迷走するし、優柔不断になってた時期が凄い長かったから、そのへんでは、ちゃんと優先順位をつける能力をつけなきゃいけないよな、これから、っていうのと、あと、作品を完成させるには、必要なのは、スピードじゃなくて、お前の場合、タスク管理なんじゃないのかっていう話にも行きついたので、私が直さなきゃいけないのは、優先順位とタスク管理なのかっていうのが、分かったっていうのが、浮き彫りになったのが反省点ですね。でも、逆に言えば、改善すべき点が分かったっていう成果があったと捉えようかっていう感じですかね。

須々木 そこからさらに成果をね、よりレベルの高い成果をね、あげられると良いですね。

米原  優先順位とタスク管理の技術をちゃんと手に入れて、ちゃんとステップアップして二人に追いつきたいですね。追いつき追い越せで。

須々木 やることが定まってるときの加速力は一番断トツである気がするしね。

米原  ちょっと迷走する時間が兎に角長いのが、ホント何とかしたいなっていう。

須々木 どんだけ速度が高くても方向が違えばダメだからね。

米原  これからはもっと、作品づくりに関するスピードのあげ方は、私の場合は、優先順位とタスク管理だねっていうことでしたね。

須々木 今後に向けての展望というか抱負というか。

米原  そうだなあ……ちゃんと、自分が面白いって思える作品づくりをしたいし、自分が描きたいものをちゃんと描けるようになりたいっていうのがありますかね。凄い漠然としてるけど、やっぱり、自分の技術不足で自分の描きたいものが描けないっていうのが、一番自分としては凹むというか、ダメージがあるとこなので、ちゃんとそこを克服して、自分の理想と技術をすり合わせていきたいなっていうのが。

須々木 思い描いたものを、そのとおりに描けるように。

米原  描けるようになりたいっていうところですね。

須々木 長い長い修行が必要だね。人生をかけて、みたいな(笑)

米原  自分が満足できる頃には、もうたぶんヨボヨボってか、むしろ死んでるんじゃないかって感じだけど。

須々木 まあ、それぞ人生、みたいなね。

米原  ていう感じだけど、頑張っていきたいですね。

須々木 はい。サークル的な視点で言うとどうでしょうね。

米原  個人的に凄いサークルの手を借りまくってるけど、返せるものが今のところないっていうね。

須々木 そんなことはないよ(笑)

遊木  いや、だから、あれよ、前貸しよ。

霧島  前貸し(笑)

米原  これから入ってくるメンバーに、とか含めて、自分が刺激を受けた分、自分も周りを刺激できるような作品をつくっていきたいっていうのはありますね。

須々木 サークルとしても、いろいろ学んだことは凄く蓄積してるから、今後、同じような道を歩みたいと思った人間がいたら、丸ごとしっかりプレゼントしてあげる気で思いっきり溜めてるからね。

遊木  そうね。結構ちゃんと、担当と各自が打ち合わせした内容とかもしっかりメモってまとめたりして全部残してるから。

須々木 オープンにはできない膨大な情報が蓄積されて、内部の極秘マニュアルになるから。

米原  経験も情報も技術も、どんどん溜めてって、周りの人たちに還元していけるようにもなりたいなって思ってる感じですね。

須々木 ですねー。

遊木  大丈夫よ。のぞみん、前借りよ。

米原  ありがとう。ちゃんと返せるようになりたい。

遊木  きっとそのうち、利子等含めて返ってくると、うちらは踏んでいるから(笑)

米原  先行投資というか。

須々木 それがサークルの次のエネルギー源に(笑)

⑤ 他に何か言いたいことがあれば。(動画の38:31~)

須々木 という感じで、いろいろひと通り触れようかなって思ってた話題は触れたんですけど、他、喋っておきたいとかありますか?

遊木  いや、まあ、感慨深いよ。終わったな。

須々木 そうだね。ついに。

遊木  いや、終わらせられるんだー、終えられたなーっていう。

須々木 始めるときから、「一年以上かかるでしょう、いつ終わるか知らんけど」みたいな感じで、こればっかりは、終わるかどうかって、自分たちだけで決めようがないタイプのものだったからね。

遊木  そうそう。手を動かせば終わるものではなかったからね。

須々木 からね、Yesと言われるまでは無理なもんだからね。

遊木  そうねー。いや、これが3年……いや、3年も決して短くはない、短期集中といわれると疑問が残るけど、これが5年になってたら、もはや短期の「短」の字も使えないから、ちょっと傷が浅くて済んだ、3年で(笑)

須々木 そうだね(笑) しかも、ゴールポストを変えることなく進めたからね。もう無理だと思って、ゴール自体を変更するみたいな、そういう妥協はしてないから、スタート時点に定めたゴールはクリアしてるから。期間は最初思い描いたよりどうだったかはちょっと分からんけどね。

遊木  でも、やっぱり、この一年の凜ちゃんの躍進は、凄かったなと。

須々木 最後に一気に、ドバーっと(笑)

霧島  タイミングが良かった(笑)

遊木  一年じゃなくて10ヶ月くらいかもしれないけど、最後の勢い、マンガMeeがそこそこ新しいもので、どんどん新しいことに取り組んでいるところに、うまく「乗っていくぜー!」っていうのがあって、うちらも「凜ちゃん、乗っていけ! 今だー!」みたいな感じのノリだったから(笑) それがめっちゃうまくハマって、でも、凄い実力もついたなって。

須々木 あちこち転がってるチャンスを、人の前にはいろんなチャンスは転がるけど、掴めるかどうかっていうのはよく言われることだけど、それをホントに掴んだって感じだよね。

遊木  目の前に転がったチャンスを、ホントに、全部この1年は凜ちゃん掴んでったなって感じで、だから結果的に、その凜ちゃんの連載でこの企画は終わったってことだから。

須々木 そうだね、終了条件を満たしてね。

霧島  ラッキーラッキー(笑)

須々木 掴んでなかったらどうなったんだよって感じだよ。

遊木  そうね、大変だったわ。

米原  大変だった(笑)

須々木 まだまだ延長戦だったよ。

霧島  延長戦(笑)

須々木 という感じで。なかなか密度の高いやつでしたね、この「超結果重視型システム」。凄い直球な名前ですけどね。

遊木  (仮)でつけたら、そのまま使われちゃったよ。

須々木 そのまま採用されてしまったけど。ということで、今後サークルとして、この「超結果重視型システム」は終わるけど別に目指すことが何か大きく変わるわけではないし、あと、そもそも「超結果重視型システム」というのも、サークルの大きな流れの中で、表面的にはイレギュラーに見えても、別に本質変わっていないので、今後も継続して、RWとしての道を進んでく感じですね。

遊木  うちらの日常に溶け込んだって感じですよね。

霧島  そうだね。

須々木 両極端をやって、今度は、両方を含んだうまいやり方を、みたいな感じになってくかな。ということで、面白い未来により近づいていけるようにということですね。こんなもんで良いかな?

遊木  うん!

須々木 はい、じゃあ、まあ、以上ですね。はい、さよーならー。

みんな さよーならー。

今後に向けて。

「超結果重視型システム」は、期間を区切って実践した少々イレギュラーなタイプの活動でした。一方で、RWが始動時より掲げる根本的な価値観は完全に踏襲しています。その意味では、この約3年間を経て、単純に「手札が増えた」とも言えそうです。
「超結果重視型システム」で求めた「分かりやすい結果」は、目的ではなく手段。よって、「超結果重視型システム」を経て「手札が増えた」というのもまた、当初の目論見通りと言えます。
ようやく「超結果重視型システム」が終わるので、しばらく抑え気味だった「それ以前の感覚」も徐々に取り戻していきたいところです。従来の手札と新たに得た手札を使い、次に何ができるのか。何かをなすために最適なやり方は何か。それがこの先のテーマになるでしょう。

この数ヶ月で、RW始動10周年(および、それに伴う企画の終了)、メンバーの商業連載開始、超結果重視型システム終了など、サークルの活動において節目となりそうな項目が重なりました。また、他にも近い将来想定される変化はいくつかあります。それらに適応するための具体的なアイデアは、先手を打つ形で徐々にサークル内でも扱われ始めています。
将来の変化のタイミングを完全に予測することは難しく、それでいて逃すわけにはいかない決定的なターニングポイントになることも考えられます。
よって、しかるべき備えをして「どこからでもかかってこい」と思える状態でいることが理想です。この状態こそが、「自由な創作」を満喫するためにあるべきスタンスでしょう。
RWの今後については、またタイミングを見ながらアナウンスしていくつもりです。どうなっていくかは、いろいろな意味で「お楽しみ」という感じですが、RWとして根本的な価値観はぶれさせずに今後も進んでいきます。

(2021年6月22日)

乱歩酔歩