終ぉぉおわったあぁぁあああ―――――!!!
漫画を描くのは楽しい、好きだ。でもそれと同じくらい、辛いし苦しい。冒頭の雄叫びは、写植を終えた時の素直な感想に他ならない。
さて、今回私が描いたのは、なんちゃってSF…正直ライトSFということさえおこがましい、普段は魔法やら天使やらでキャッキャウフフとしたお話ばかり描いてる私が、それでも頑張って描いた物語である。
時は今より少し先。人々が、「言葉」の持つエネルギーに気付いてから、しばらく経った頃―――と、まあここからはどうぞ漫画で読んで頂きたい。もしくは、もう読んでくださったことを想定して(だってあとがきだもん)。
今回初めて、〝少年〟が主人公の物語に挑戦した。しかしまあ、主人公の動かしづらいこと!プロットやらネームやらを組み立てる段階では、どうにも動きまわってくれない。主人公なのに!私に全部任せる気か!薄情者―!というやりとりこそなかったけれど(残念なことに)、本当に彼は私を悩ませてくれた。そう、ネームまでは。しかし、一度原稿に向かうと不思議なもので、これがよく動く。今まで描いてきた主人公の中で、一番ギャップがあったように思う。いや、本当はよくないことなのだろうけど。
彼をはじめ、この作品を描くに当たって、本当に沢山の驚きがあった。一つは、個人プレーだと思っていた漫画制作に、他との接点を見いだせたこと。自分一人の力ではどうしようもなかった、もしくは気付くことすらできなかったことにも、他者が介入することで光が見えてくることがある。また今回は、自分の制作風景をビデオで記録するという作業も同時進行したのだが、これがなかなか面白い。だって世界中で唯一見ることのできない自分を見る機会を得たのだから。作品を客観的に見るということはある程度可能でも、実際に他者の視点で見る機会は滅多にない。正直ビデオの記録は一度見返したキリだが、この作業が一段落ついたら、改めて見直してみようと思う。おそらくペンの持ち方がおかしいことに赤面し、必死に矯正することだろう。
そう、これはいわば、私にとって恥部の露出だ。……少し言い過ぎたかも知れない。
作品を作っていくなかで、いつもこれでもかという程思い知らされる。私はなんて、無知なのだろう、と。描きたいけれど、描けない。この葛藤を幾度となく繰り返している。ただ、いつもと違うのは、この作品は記録が残っている、ということ。私の不確かな記憶―――あわよくば簡単に改ざんすらしてしまえる―――とは違う。記録として、残されている。その辛さも、苦しみも、そしてもちろん、楽しさも。
色々と初めての試みの多い作品となった。100%満足だ!最高だ!ひゃっほう!とは、悔しいけれど正直言えない。でも、それでも制作して良かったと思う。私に足りないものを、実感として、強い衝撃とともにこの胸に残すことができた。それだけでも私は、次の一歩を踏み出せるだろう。
漫画を、描くことが楽しい。一つの作品を描き終えて私に残る想いは、いつだってそれ一つだ。今度はそれを、読んでいるあなたに。届けられるように精進したいと思う。
あとがき
あとがき
あとがき
あとがき
凜
