漫画制作ドキュメンタリープロジェクト
「RとWの小さな冒険」あとがき
米原のぞみ

私は、漫画を描きたいと思う反面、いつも線画で満足してしまい、人物以外の書き込みや、トーン作業まで手が伸びませんでした。プロジェクトが始まるずっと前から、遊木氏が漫画プロジェクトを立ち上げたいという話をしていたので、「このプロジェクトが始まる時は絶対参加しよう!」と考えていました。

ペンタブ、PC、お絵かきソフトを一新してから臨んだプロジェクトだったので、慣れるまでの前半の作業の遅さに絶望しつつも、少しずつできる事が増えていくのは単純に楽しいし嬉しいと感じました。修正が簡単にできてしまう分、無限消しゴム地獄には何度か泣かされましたが…。アナログとデジタルのメリットとデメリットを噛み締めつつ、ジリジリ作業する日々が続きましたが、テーブルが散らかり難いのは救いでした。本当に。

 

自分が好きなファンタジーとラブコメ(私が描くとあんまり甘くないけど)を描けて単純に楽しかったです!まぁ、内容は王道ですが、王道を少しだけヒネって、読む人に私のの作品の雰囲気は「こんな感じ」、と伝わると良いなぁと思っています。尚且、読んでくれた方々がニヤニヤしてくれれば嬉しいですね。

読み切りのネームを描くのがとても苦手なので、特に壮大なテーマがある物語ではなく(思いつく訳もなく)あるパーティーの小さい事件を取り上げて基本ほのぼのした内容になりました。短いパージでテンポ良く進める為には、「動いてくれて」「動かしやすい」主人公が良いなぁと思ってラビちゃんが生まれました。少女漫画のつもりで描いたんですが、やはりヒロインっぽくないですね。個人的にそこが好きですが。最初はワルターが好き過ぎて肝心のラムを好きになれるか不安でしたが、丸いお腹を描いているうちに好きになれて良かったです。ちなみにワルツたんは俺の嫁。カットしたシーンもあるので後日談を四コマで描ければと思っています。コミティアでは世界観の説明が欲しかったと言われたので、次回の作品を描く時は、もっと作りこんで行きたいですね。

 

絵を描くサークルメンバーで集まり、自分が描きたいことを保ちつつ、どうすれば良い漫画になるのかを話し合う時間は、とっても有意義だったと思います。単純にお泊まり会という名の女子会が面白かったことありますが。

プロット、ネームの段階からメンバーで手探りでの作業、意見交換は充実した時間でしたが、時間を、それこそ1年近くかけた分、勢いとスピード感が、他のメンバーと比べて自分には明らかに欠如していたことには反省しかないです。ココまできたら納得できるまでやろう、と変なところで意地になっている場面もありました。ネームに関しては1年前の絵ですし、一度書き上げた線画を、後日また修正したくなって無限ループに陥るという愚行を繰り返す…。まさに泥沼。難産でした。

とにかく、反省点、改善点ばかりの自分と自分の漫画ではありますが、このプロジェクトでは、兎に角「1つの漫画を完成させたい」という目標も持ちって、やり遂げることで得られる物はあったと思います。反省することが多くて無駄に恰好つけたり、凹んだり、うじうじしてしまいましたが、自分に何が足りなくて、何をすれば良いのかが、以前よりハッキリしたと思うし、次に何を頑張れば良いのか分かってきたので、前が少し開けて明るくなった気分です。

今回のプロジェクトで得たことや、反省を次回に生かし、自分が描きたい漫画、理想とする漫画に少しでも近づきたいと思います。兎に角、次回の一番の課題は作業スピードUPなことは明らかなので、漫画を描くことに慣れて行きたいと思います。

乱歩酔歩